OBLIVIONプレイ日記~Darker than Darkness~

OBLIVIONのロールプレイ日記と小ネタがメインです。
BUCK-TICKを愛して止まないので作中にBUCK-TICK語録が多数出てきますが、BUCK-TICKとは何の関係もありません。

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Messiah of the Darkness 第12話 ~紙一重の狂気~ 

「私を・・・、殺すというのか・・・?」

「それ以外に今のお前を救う方法はない。 言わば"救済の死"だ。 
同時に、心を失い人ならざる存在へと変化させられた哀れな者たちの魂も開放してやる必要がある」

「ま、まさか、患者たちも・・・!!」

 

「死は魂の休息。 肉体は死なず、魂だけが物質世界の檻に閉じ込められているのだとしたら、彼らにとってこの世はもはや牢獄でしかない」

「気でもふれたか・・・!! 彼らに罪はない・・・! 仮にお前が死神だとしても彼らの命を奪う権利などないはずだ・・・!!」

 

「彼らは弱者だ。 そして弱者の運命は先ほどお前の言った通り。
廃人としてただ世間に晒されながら悲痛な運命を辿るくらいなら、すぐにでも開放してやるべきだ」

 

「は、早まるんじゃない・・・! 時間を掛ければ彼らもいずれは必ず元通りに・・・!」

「希望的観測に過ぎない。
前頭葉の再結合は外部から干渉できるものではなく、お前自身その方法は見出せていない。
よって彼らが再び立ち直るには自然治癒以外になく、その上確証もない。

そして心を持たない彼らには回復の意思そのものが存在せず、社会復帰には長い年月を要するだろう。
だが体の老化だけは着実に進行し、脳を含めた身体機能の低下に伴い回復自体が絶望的な状況となる。

仮に目を覚ましたとしても、彼らが味わうのは衰えた自らの身体に対する絶望のみ。
彼らから奪われた時間は二度と戻りはしない」

 

「全ては手遅れ。 お前の患者も、お前自身も。
未来を切り開くためと犠牲を覚悟で手を出した手術は、始まりではなく終わり。
残されたものは、魂の抜けた血肉の残骸と、患者と近しい者によるお前への憎悪と怒り、敵意と殺意」

 

「死こそが最善、死こそが合理的。 例え非情だとしても、それが真実。
情に流され選択を誤れば、そこに待っているものは泥沼のような悲惨な末路。
そうなる前に、全てを無へと回帰させる」

「や、やめてくれ・・・! せめて・・・、せめて患者だけは・・・!!」

男の声は既に私には届かない。
私は鎌を持つ腕に力をこめると、男の首目掛けて一気に振り下ろした――

 

 

 

「息子を見ませんでしたか? 素直でやさしくて、とてもかわいいの」

 

「!!」

 

 

『大丈夫。 母さんはきっと元気になって帰ってくるよ。
それに、僕はみんなが言うほど先生が悪い人だとは思えない。 むしろ、先生は本当に病気の人を救いたいって願ってると思うんだ』

 

『あの子は自分のせいで母親がおかしくなってしまったと、今でも自分を責めている。
もし二度と戻ってこないと知ったら、自責の念に囚われたまま永遠に抜け出すことは出来ないかもしれないんだ』

 

『僕はまだ子供だけど、でも、母さんがどんな事になっていても、ちゃんと向き合えるから・・・!
だからお願い、Leonを助けてあげて・・・!』

 

 

 

「・・・?!」

 

突然現れた第三者の、この場にそぐわない安閑とした口調の言葉に、振り下ろされた大鎌が寸前のところで動きを止める。
同時に思い起こされる、私に想いを託した者たちの顔。

 

「息子を見ませんでしたか? 素直でやさしくて、とてもかわいいの」

「な、何をしておる・・・! ここは危険だ! 部屋に戻ってなさい・・・!」

狼狽する男をよそに、女は危ぶむ素振りさえ見せない。
それは女に感情が備わっていないことを意味していた。

女は同じ言葉を繰り返す。
それは心を失う以前に、女にとって最もその心を埋め尽くしていた愛しい存在。

恐らく女は以前から、そしてこれからも同じ言葉を繰り返す。
それは女に残された唯一の希望――

 

そうか。 ようやく理解した。 いや、気付いた。

自らの罪を都合の良い口実で覆い隠し、悪魔の手術を続けたDr.Lobecto。
だがそれは、私も同様――

 

時に死は最も合理的で理に適った解決方法である場合も多い。
だが、それでは人は納得しない。
例え道理に適った答えであるとしても、人は頑ななまでにその答えを拒む。
それは人そのものが非合理な存在だからだ。

人は誰しも、大なり小なり罪を犯す。
いや、この世界の無限の事象連鎖の中で人が何か行動を起こせば、例え直接的ではないにしろ何処かで必ず不利益を被るものが現れる。
言わば人は生まれながらに罪の十字架を背負い、その罪の中で生きている。

罪から逃れるための最も簡単な方法は、死。
人は死ぬことで事象の連鎖から自らを切り離し、無へと回帰することで初めて全ての罪から開放される。

だが生きることが罪であるならば、初めから存在しなければ済むこと。
それでも人は存在し、罪を犯し、嘆き、悲しみ、苦悩しながらも、生き続ける。

極めて非合理、極めて不完全な生き物ゆえに、その非合理な生の中で答えを見出そうとする。
それが人間。

 

死して救われる魂がある、それは紛れもない事実だ。
少なくとも私はそう確信を持って行動してきた。

だが、いつしか私はその言葉自体に拘り過ぎていた。
その他の答えを見出そうとせず、安易な死という絶対的な答えに捕らわれ、そして人を殺め続けてきた。
救いという、大義名分の下に。

 

そしてこの男と同様、私もまた自らの狂気に気付かずにいた――

 

「頼む・・・!
お前の言うとおり、私は弱者を救うと言いつつその実、己の力の慢心と、そして名誉のためにいつしか本来の目的とは矛盾した行動を繰り返していた。
絶対に救えるという確信の元、彼らを弱者へと陥れてしまった・・・!
もはや言い訳など出来るはずもない。 私は裁かれるべき人間であることは間違いないだろう。
だが・・・!」

 

「この子達だけは、何とか見逃して欲しい・・・!
確かに彼らは一人では何も出来ない。 弱者として世間に虐げられるくらいならいっそ命を捨てた方が楽になるのかもしれない。
だが、彼らに罪はないのだ・・・!」

 

「私のような悪魔のせいで大切な心を失ったこの子達から、"生という希望"まで奪わないでくれ・・・!!」

 

男の悲痛な叫びが屋敷に木霊する。
男の目を覚ますきっかけとなったのは、救うべき患者に突きつけられた死。
それは、自らの向上心のために一度は狂気に落ちたとはいえ、心の奥底では弱者を救いたいという紛れもない想いが残っていたからに他ならない。

メシアとなるために悪魔の力を行使した男。
だがその思想だけは本物のようだ。

 

 

「・・・」

 

「患者たちとお前はもはや一蓮托生。
お前が死ねばどちらにせよ患者たちの未来はない」

 

「そして患者たちを生かすならば、同時にお前も生きなければならない。
患者たちが目を覚ますその時まで、お前は生きて彼らを支えなければならない。
それが、自らの手で弱者を生み出したお前の責務」

 

「・・・!!」

 

「無論、またお前が闇を纏い悪魔の力に手を染めるのなら、私は再びお前の前に姿を現すことになる。
ゆめゆめ、忘れるな」

 

「・・・恩に着る」

消え去りそうな声で男は呟いた。

 

 

 

 

 

 

「あらあら。 Thanatosの名を持つ者が、随分と優しくなったのね。 でもね・・・」

 

「あなたに必要なのはそんなものではない。

その優しさはいずれ、世界を破滅へと導く――」

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テーマ: Oblivion

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カテゴリ:OBLIVION ロールプレイ日記

2010.08.29 Sun. 20:51 -edit- Trackback 0 / Comment 6

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« Messiah of the Darkness 最終話
Messiah of the Darkness 第11話 ~救済~ »

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この記事に対するコメント

[ No:1471 ]

めっちゃかっこよくきめちゃったはぬっこさんに斬られたい!

これで一件落着になればいいけどまだ何か不穏な空気あるようですねー。


個人的リクエストとしてかまいたち2ぽいネタをいつか・・・いつか・・・お願いしますwkwk

URL | Miari #wVPWx2mE

2010.08.29 21:43 * 編集 *

[ No:1472 ]

今晩は、lainさん

2枚のSSのDr.Lobectoが口をあけてうろたえているように見えたのですけれど、よくよく見たら単なる顎鬚だった・・・笑

羽っこさんの決断はおおよそ予想していたけれど、以前には持ち合わせていなかった感情が芽生えるきっかけになって今後どうなるのか・・・また羽っこさんと同じ仲間と思われる新しいキャラクターと羽っこさんの行く末が気になるところですね。

Dr.Lobectoがきっかけで羽っこさんの考え方と感情が変化したようなので、以外にも今後はDr.Lobectoが重要人物となるか・・・楽しみです。

URL | ゆったりさん #GxAO5jdM

2010.08.29 22:02 * 編集 *

[ No:1473 ]

いつも束縛されたような人生を送る毎日・・
開放という意味はどういうことなのか・・

なんだか色々考えてしまいました^^;

しかし人間は支え助け合っていく生き物だと私は信じています。

URL | 永遠と・・・ #-

2010.08.29 23:20 * 編集 *

[ No:1474 ]

>>ミアリさん

いずれみあっさんとの共演もしてみたいですなー(*´艸`)

かまいた2はエンディングがすごく多いんですが、胸糞悪いバッドエンドばかりでいらいらした記憶が。(といいつつ金のしおりまでやりましたがw)
キモイ映像のオンパレードでむりやり怖がらせようとしてるのもなんかねぇ><
1みたいな心理的な恐怖を想像してただけにちょっと引いたw


>>ゆったりさん

うーむ。そう見えなくもない、かなぁ?w
はねっこさんの決断はいつものことなのですが、マンネリ気味なのでちょっと変化を加えてみました。
物語の冒頭の「狂気に気付かない人間」というのは実は羽っこさんを指していたというオチw
ちなみに羽っこさんの仲間っぽいキャラは前回の話から結構出ているので、暇があったらそちらも読んでみてください><b


>>永遠と・・・さん

書いているほうは色々考えているようで実は何も考えていなかったりするので、もっとかるーく読んでいただければw
でも支え合いは大事ですね><b
話の中では「罪」で繋がってるみたいなネガティブなことを言ってますが、支え合って生きてるとも言えますね。

URL | lain #0MXaS1o.

2010.08.30 15:25 * 編集 *

[ No:1475 ]

なんだかお久しぶりな書き込みになってしまいますが…
お久しぶりですっ

今後を予感させるような最後でどきどきします…(*´ω`*)

しかし、羽っこさんの最後のお沙汰は
どことなく水戸の…あの方を思い出しました(*ノノ)

URL | touga #wF453ayA

2010.09.01 01:55 * 編集 *

[ No:1476 ]Re: タイトルなし

>>tougaさん

お久しぶりです~ヽ(´▽`)ノ

あの発言は一応意味のあるものですが、今の時点では意味不明ですね><
でもなんとなく入れておきたかったんですw

水戸Σ( ̄□ ̄lll)!!?

URL | lain #0MXaS1o.

2010.09.04 01:07 * 編集 *

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