OBLIVIONプレイ日記~Darker than Darkness~

OBLIVIONのロールプレイ日記と小ネタがメインです。
BUCK-TICKを愛して止まないので作中にBUCK-TICK語録が多数出てきますが、BUCK-TICKとは何の関係もありません。

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気狂いピエロ 第7話 ~ラストショー~ 

天空より舞い降りた火の粉を払うために、私は敵が潜伏していると思われる世界に推参した。
そこは現実世界のあらゆる物体が存在する不可思議な世界。
この世界を作り上げたのは神であり、ここは現実世界の上位階層として存在する、個物の真理、そして原型であるイデアの置かれた世界、イデア界だという。
そして現実世界は、このイデア界から映し出される物体の影に過ぎないそうだ。

だが、いくつかのワープゾーンを潜りこの不可思議の世界を見て回った結果、私の出した結論は"ここはイデア界に非ず"。
一体誰が、何のためにこのような不完全な世界を創造したのかは不明だ。
だがそれも、じきに明かされることになる。

 

残るワープゾーンはあと1つ。
この先にいるであろう神とやらに、全てを問い質す。

 

 

 

 

 

最後のワープゾーンから転送された先は、闇の世界だった。
文字通り寸分先すら見えないほどの深い闇が辺りを包んでおり、唯一の明かりはワープポータルの魔力が放つ僅かな明かりのみ。

こんなところで襲われたらさすがに手も足も出ないが、付近に生物の気配は感じられない。
いや、それどころか物音一つ聞こえない静寂の世界だ。
はたしてこの先に神はいるのか。

 

松明は持っていないため、やむを得ず暗闇の中を進む。
空気は湿っており、足元からは湿気により柔らかいなった土壌の感触があることから、山を掘り起こしたような洞穴である事が伺える。

手を広げ暗闇の中を漂わせると、壁だと思われる冷たい土が指に触れた。
そのまま指を壁に這わせながら、壁伝いにゆっくりと進んでいく。
静寂は変わらないが、落とし穴などの罠が仕掛けてある可能性も考えられる。
なるべく神経を研ぎ澄ませ、慎重に進んだ方が良いだろう。

 

そのまましばらく直進すると、足元の感触が柔らかい土から硬い石へと変化したのが分かる。
同時に壁を這わせていた指に触れる感触も変化した。
土の洞穴から、何か人工的な建造物に繋がっているようだ。
だが相変わらず道は一直線に続いているようで、分かれ道のようなものは今のところ確認できない。

 

さらに進むと、視線の先にようやく明かりが見えてきた。
これまでのような狭い通路から開けた空間に通じている。
その空間に炎の灯火と、その炎の前で椅子に座る幾人の姿が伺える。
何をしているかまでは分からないが、何かの儀式をしているようにも見える。

問題はあいつらが敵かどうかという事。
今まで見てきた人間は自らの意思など持ち合わせていないかの如く、まさに機械仕掛けの人形のような存在だった。
同時にその存在には意味が感じられず、ただそこに在るだけの"物体"であった。
故にこの奇妙な世界の奇妙な空間に規律を保って配置された彼らの存在が、秀でて奇妙に感じられる。

念のため、不意に襲われた場合を想定して、背に背負った鎌に手をかける。

 

鎌に手をかけたまま音を立てないようにさらに進むと、この空間の全貌が徐々に見えてくる。
それぞれ種族の違う者たちが椅子に腰をかけ何かを見つめているようだ。
だがその先にあるものは石の壁のみで、映っているものといえば、彼らの背後で猛っている炎の明かりが生み出す彼ら自身の影のみ。

 

さらに近付いてみるが、彼らが私の存在に気付く様子はない。
ただ固まったように自らの影が映し出される壁を見つめている。
それは今までに見てきた、まるで生気の感じられない物体であった者たちと同じように、彼らもまた物体以上の存在価値が無いものであるのが分かる。

だが、敢えてこのような場所で鎮座しているのには何か理由がありそうだが、この様子では皆目見当が付かない。 
一体何をしている。

 

 

この世界の物質は例外なくイデアであるならば、彼らもまたイデア。
そしてイデアが見つめるものは影。

イデア界は個物の原型であり、現実世界はその影である。
ということは、壁に映し出される彼らの影こそ、現実世界の人間そのものだと言いたいのか。

身動き一つしない彼らを見ながら思案に耽っていると、それを遮るように地の底から地鳴りのような声が響き渡った。

 

―彼らは動く事も、声を出す事も、振り返る事も出来ない―

―彼らの目に映るものは自らの影のみ。 そして彼らはそれを現実だと思い込み、決して疑問を抱く事は無い。 彼らはその後ろに真実の世界があることを知らぬまま、この場で永劫の時を過ごすのだ―

 

「ようやく、神様のお出ましか」

なるほど。
つまりこれは、目に見えるものだけを現実だと信じ、その奥にある真実を知ろうとしない人間に対する比喩であり、皮肉。

神の声は続く。

―無き者よ、この世界にお前の姿は無い。 全てはイデアが在ってそこに初めて影を映し出す。 イデアなくして影が存在する事はあってはならない。 無き者よ、お前は誰だ―

徐々に憤激を伴ってきた神の言葉は、次第に怒鳴るような声に変わっていく。
だが今の言葉で、少しだが私が狙われた理由が分かってきた。

「つまりお前は、自らが作り上げた雛形の世界であるイデア界に私のイデアが存在しないにもかかわらず、影の世界に私が存在している事に不都合があるということか」

―イデアは万物の真理! 全てはイデア在ってこその存在なのだ。 だが貴様のイデアは存在しない!―

―答えよ、無き者よ! お前は誰だ!!―

神の声はさらに勢いを増し、洞窟全体が小刻みに震えだす。

 

「その問いに対する簡明かつ明瞭な回答はただ一つ」

 

「不明だ」

 

 

 

―不届き千万…ッ!!―

 

 

 

 

神の叫び声と同時に洞窟が激しく揺れ始めた。

その揺れは次第に大きくなり、やがて天井が崩れ始める。
いや、天井だけではない。
洞窟全体が、まるでガラスが割れるようにパラパラと崩れ落ちていく。

崩れた壁や床の先にあるものは闇。
結局ここも無の空間に作られた小さな箱庭の世界に過ぎないのだ。
通ってきた細い通路からこちらに迫ってくるように、床が崩れ闇へと吸い込まれていく。

崩壊が迫るにつれ、もはや立っていられないほどに揺れが大きくなる。
私はバランスを崩し、ひざを付いてしまう。
椅子に座っているイデア達は、まるで何事もなかったかのようにただ影を見つめている。

意思を持つかどうかも分からない彼らが逃げ出す事など考えもしないとは思うが、その光景はあまりにも無情に思えた。
やがて彼らは崩れ去る洞窟と共に、闇の底へと消えていく。

その刹那、私もその崩壊に成す術なく飲み込まれていく。

闇へ。

闇へ。

闇へ。

 

 

 

 

 

「?!」

やがて視界が開けると、そこは深紅に染まった世界。

…ここは、何処だ。
落ちていく中で、一瞬体を揺さぶられるような感覚を覚えた。
神によってまた別の場所へ転送されたのだろうか。

「我が名はデミウルゴス、創造の神なり…」

空から声が響く。
紅く染まった空を見上げると、天空より光に包まれながら大仰に登場する声の主。

 

「イデアを礎とし、世界を創造せし者なり…」

 

「無き者よ。 汝、イデアを持たずして存在する事は、我が意思に背く行為。 イデアなくして影が存在してはならない…」

神を名乗る男を包む光が徐々に収まっていき、神の実態が明らかになってくる。

 

「汝が存在、すべからく否定されるべし…!」

 

 「ここが本当にイデア界で、お前が本当に神なのかどうかは知らないが、少なくともお前の個人的な理由で消えてやるつもりは無い」

 

「私の道を阻むというのならば、例え相手が神であろうとも排除するのみだ」

 

  

「華々しく飾れ。 見世物小屋のラストショーを」

 To be Continued…

 

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テーマ: Oblivion

ジャンル: ゲーム

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2009.12.24 Thu. 00:55 -edit- Trackback 0 / Comment 2

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この記事に対するコメント

[ No:1247 ]

プラトンの国家に収録されてるイデア論や洞窟の比喩を元にした話ですね、つい最近大学で議論のネタになったのでなにか運命的なものを感じました。

URL | カドルス #-

2009.12.25 13:26 * 編集 *

[ No:1248 ]

>カドルスさん

コメントありがとうございます~!

イデア論について議論とは、なかなか楽しそうな事をやっていますねー。
かく言うlainも大学で習ったうろ覚えの知識を捻り出して書いています。
洞窟の比喩の部分はどうしても書きたいと思っていたので、何とか作中に挿入できてほっとしましたw
かなり簡略化はしてありますが^^;

ただイデア論の矛盾については話に入れるかどうか迷っています。
あまりややこしいことは苦手なのでスルーするかもしれませんが;

URL | lain #0MXaS1o.

2009.12.25 13:50 * 編集 *

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