OBLIVIONプレイ日記~Darker than Darkness~

OBLIVIONのロールプレイ日記と小ネタがメインです。
BUCK-TICKを愛して止まないので作中にBUCK-TICK語録が多数出てきますが、BUCK-TICKとは何の関係もありません。

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Labyrinth in tha Mist 第11話 ~帰還~ 

その日はいつものように霧が深く、星の見えない夜だった。

 

時折顔を覗かせる月が、門前で祈るように空を眺める少女を照らす。

 

「フリード……」

男が村を出てから6日目の夜。
2、3日で戻ると言い旅立った男は未だ帰ってこない。

明日までに村を買い取る金が用意できなければ、村人たちは全員立ち退きを余儀なくされる。
その期日は明日にまで迫っていた。

だが少女はもはやそんなことは頭にない。
ただ男の無事だけを祈り、毎晩のように家の前で男の帰りを待っていた。

 

「う……うう……」

闇の奥から呻くような声が聞こえた。

 

「今の声は……?!」

 

 

「?!」

 

「フリード……! しっかりして、フリード!」

 

「その声……聞き覚えがある……。 頼む、食い物を……早く」

「食べ物?! わ、分かったわ……! 私に掴まって! 食べ物なら家にあるわ……!」

「……すまない」

男は酷く衰弱していた。
外傷はさほど見当たらないが、体は酷く痩せ細っていて、男の体を抱きかかえるように持ち上げると、驚くほど軽いことが分かる。

少女は自らの肩を男に差し出すと、男は持たれかかるように少女の方に腕を回し、少女は半ば引きずるように男を家へ運んだ。

 

 

 

 

 

 

「……ふう。 何とか生きてるようだな、助かった」

ほとんど立ち上がる力もなくなっていた男を椅子に座らせ、あり合わせの物で男が希望する限り料理を作り、そしてテーブルへ並べた。
食事を目にした男は、まるで獣が生肉を目前にしたかのごとく、喰らい付くような勢いでテーブルの料理を平らげていった。

少女はただその様子を呆然と見ていた。
あまりの勢いに恐怖すら感じたものの、極限までに空腹を感じ、あと一歩のことろまで死に詰め寄られた人間というのはこんなものなのだろうと、無理やり恐怖を押さえ込み男が満足するまで食事を出し続けた。

結局男は、家に蓄えてある全ての食料を食い尽くしてしまった。

同時にこのような状態になるまで追い詰められたということは、相当危険な場所へ行っていたのではないかと心配になってくる。
無事に戻ってこれたのは何よりだが、一歩間違えれば確実に死んでいたことは間違いない。

それを思うと少女は胸を締め付けられるような鈍痛が走った。

「ねえ、フリード……変な事聞くけど、いい?」

「どうした?」

 

「私のこと……分かる?」

「ハァ?」

「答えて。 私が誰だか分かる?」

「何言っているんだ……。 お前はアリーセ、おれの婚約者だろ?」

「……良かった」

男の答えを聞いて、少女は安堵の笑みを漏らす。

「何なんだ、一体?」

「ごめん。 さっきまですごい弱ってたし、倒れていたときは私のことが分かっていないみたいだったから、何となく不安になって……」

最初に男に声をかけたとき、男は"聞き覚えのある声"と言っただけで彼女とは認識していないように思えた。
極度の衰弱で何か脳に障害が現れたのではと、少女はずっと不安を感じていた。

「俺がいくらバカでも、数日離れたくらいで婚約者の名前を忘れたりしないって……」

不機嫌な表情で男は悪態付いた。

「ふふふ」

先ほどの獣のような様子とは打って変わり、いつもの男に戻り思わず笑みがこぼれる。
体は随分と痩せてしまったが、後遺症の心配はないようだった。

「それにしても、あれ……。 すごい宝物ね」

"あれ"とは、男の傍らに落ちていた巨大なダイヤモンド。

「ああ、あのデカさは半端ない。 あれならこの村を買い取ってもまだおつりが来るぜ」

男は得意げな表情。

「ほんとね、すごいわフリード! でも、相当危険なところだったんじゃないの?」

「……まあ、そりゃあな。 アイレイドの遺跡だと思うが、魔法か何かで出口が消えて、結局閉じ込められる羽目になっちまった。 おかげであんな有様を見られちまったが、生きて帰れたんだし結果オーライだ」

そこが霧の迷宮であることは黙っていた。
禁忌であることは少女も知っており、そこへ行ったとあらばまた余計に心配させるだけになる。
何より、禁忌を破ってその迷宮に入ったことに、男は少なからず引け目を感じていた。

「でも、生きて帰ってこれて本当に良かった……」

「あたりまえだ。 俺が死ぬわけないだろう?」

余裕を見せる男だったが、実際生きて帰れたのは奇跡だった。
宝物に触れた瞬間に視界がぶれ、気を失った。
その後、自ら歩いて村までたどり着いたのかどうかは記憶が無く、気が付いたのは先ほどアリーセに声を掛けられたときが初めてだった。

「……ずっと、何も食べていなかったの?」

「……ああ、そうだな。 持って行った食料がなくなってからは……ずっと」

何となく男の表情が引きつったように見えたのは気のせいだろうか。

会話が止まり、気まずい空気が流れる。
男は相当辛い目に遭っているはずだから、きっとその辺の事は思い出したくないのだろうと思い、少女は無理やり話題を変える。

「それにしても、あの宝物を見せたらきっと村中大騒ぎね! 明日は宴会間違い無しだわ!」

「……そうだな。 村を救った俺は晴れて英雄だ。 村を買い取った際には記念に銅像でも建ててもらうか」

「あはは。 でも、それちょっと恥ずかしくない?」

「まあ、確かに」

二人は楽しそうに笑った。

少女は心底安心した。
危険な目に遭ったとはいえ、男に変わりは無い。
擦り傷や切り傷はあるものの、目立った外傷は無く、痩せた体も数日もすれば元に戻るだろう。
男が見つけてきた宝のおかげで村も買い取る事ができる。
不安に駆られる日々はようやく終わりを告げ、その後は幸せな生活が待っているのだ。

良かった……。

少女は心の底からそう思った。
今宵全てが終わりを告げ、そして、今宵全てが始まるのだ。

 

 

 

 

 

-ソウ、思ッテイタ-

 

 

 

 

 

「それよりも、アリーセ……」

「なに?」

 

「食い物はもう無いのか?」

「え?」

 

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カテゴリ:OBLIVION ロールプレイ日記

2009.06.21 Sun. 18:54 -edit- Trackback 0 / Comment 8

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この記事に対するコメント

[ No:1055 ]

こんばんは。
最後の「食い物はもうないのか」のくだりでゾクっと来ました……。
ど、どうなってしまうんだろう……><

URL | ねぎ #Ng5aPj1c

2009.06.21 20:24 * 編集 *

[ No:1056 ]

今回の話怖いですね~。この後の展開がものすごく気になります

URL | ラーサー #-

2009.06.21 20:59 * 編集 *

[ No:1057 ]

初めまして
いつも楽しく読まさせて貰ってます

今回の話はもう完璧にフラグですね。。
果たしてハッピーエンドは見られるんでしょうか・・・

URL | 通りすがり #-

2009.06.21 21:18 * 編集 *

[ No:1058 ]

久遠です。

おお既に不吉なフラグが立ってる(泣)。
大量のミノを食したから完全に過食症ですね。これが過食という言葉で済むかは不明ですが。どうやって脱出したのかも謎ですし気になります。帝都の人食いの二の舞にならないことを祈ってますけど……ここに至ってハッピーエンドはなさそうだなぁ。

URL | 久遠 #OTCdg7QM

2009.06.21 22:11 * 編集 *

[ No:1059 ]

人食い二号になってしまうのかどうか、続きが気になります・・・

URL | カドルス #gdfxEFgg

2009.06.22 22:56 * 編集 *

[ No:1060 ]

こんばんは、tougaです。
久しぶりのコメントになってしまいました(´・ω・`)

どんどん危険な香りが増して
ある意味、ここから始まるのではないかとソワソワ。
バッドエンドフラグっぽく見えつつも…!?
と、淡い期待を持ちつつも、叶いそうに無いこの空気っ…!

URL | touga #wF453ayA

2009.06.23 02:48 * 編集 *

[ No:1061 ]コメントありがとうございます

レス遅れて申し訳ありません…っ!
また忙しくなってきたので、更新頻度も下がるかもしれませんが、今後ともよろしくお願いしますm(T T)m


>ねぎさん
生還したとはいえ、彼の体は蝕まれたままです…。

>ラーサーさん
始めまして!
今次の話を書いているところなので、もう少しお待ちください…っ!

>通りすがりさん
始めまして!
フラグですね^^;
何フラグかは見てのお楽しみという事で…
と言っても大体想像できるかもしれませんが><

>久遠さん
過食症と言うより、食べたものがそれ以上に分解され、さらに全身のエネルギーがフル活用されてどんどん脂肪が燃焼されていくので、実際に痩せていってる状態です。
もうすぐエンドですので最後まで見守ってください~><

>カドルスさん
今続きを書いているのでもう少しお待ちください><

>tougaさん
お久しぶりです!
いえいえ、こちらもコメントいけずに申し訳ありません(・ω・`)
でもこっそり見てますよ┃_・)

そうですね~
ここからが始まりと言えなくも無いです。
物語はもう終わりですが…
ハッピーエンドなるか?!

URL | lain #0MXaS1o.

2009.06.23 10:51 * 編集 *

[ No:1062 ]

(((( ;゚Д゚)))キャアアアアアアアアアアア

URL | つやつや #GCA3nAmE

2009.06.23 20:04 * 編集 *

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