OBLIVIONプレイ日記~Darker than Darkness~

OBLIVIONのロールプレイ日記と小ネタがメインです。
BUCK-TICKを愛して止まないので作中にBUCK-TICK語録が多数出てきますが、BUCK-TICKとは何の関係もありません。

ここに該当する記事はありません。

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Labyrinth in tha Mist 第12話 ~侵蝕~ 

「ハァ、ハァ、ハァ…」

 

「クソ…眠れない…!」

運良く霧の迷宮から生還した男。
しかし、ミノタウロスを食したことによって体内に蓄えた大量のサイロイド・エナジーは、確実に男の体を蝕んでいった。

休んでいる間も体中の臓器は全速力で活動を続け、回復させるべき体力を根こそぎ奪っていった。
息が切れ、脈は激しく鼓動し、汗が止まらない。
食したものは急速に分解され、もはや1分1秒の単位で男の脂肪を削り取っていく。

 

「ま、まだ食べるの…? ごめんなさい…、今のでうちにある食料は全部よ」

「そ、そうか…」

「明日朝一番で町へ出て何か買ってくるわ。 もし足りないようなら近所の人に分けてもらってくるけど……」

「な、何いってる、"ガキ"じゃねぇんだ。 一晩くらい待てるよ」

 

「……」

 

「腹ガ……、減ッタ……」

 

足に力が入らず、亡者のようにゆらゆらとした不安定な足取りで歩く。

「く、食い物……。 食い物は何処だ……」

 

「食い物……」

 

男の視界に穏やかな吐息を立てて眠りについている少女が映った。

一瞬、息を呑む。
脳裏に蘇るのは、迷宮での"食事"。

 

 

-銀のスプーンで抉り出せば-

 

 

「……」

視界がぼやけ、意識が朦朧としてくる。
まともな思考が働かず、無意識に眠っている少女に近付いていった。

 

その獣のように輝く眼光は、少女の細い首元を捉えていた。

 

背後からそっと近付き、首筋に口付けをするように牙を向ける。

 

「ん……。 フリード……?」

 

「……」

「きゃあ!」

 

目を覚ました少女は男の形相に驚き、悲鳴と同時に思わず男を突き飛ばした。

 

「……ア……アリーセ……」

男の喉下から、絞り出すような声が響く。

「フリード……! ど、どうしたの?!」

「ウウ……ウ……」

男は苦悩に満ちた表情で、頭を抱えた。
僅かに残った理性で、湧き上がる欲望を必死に抑えようとする。

途端、背後の階段を転げ落ちるように降り、覚束ない足取りで家具や壁にぶつかりながらも出口の扉へ向かっていった。

「ま、待って! 一体どうしたというの、フリード!」

少女は叫ぶが、男には聞こえていないのか、そのまま外へ出て行ってしまった。

今のは本当に自分の恋人なのだろうか?
まるで悪霊でも乗り移ったかのようなその様は、先ほどまで楽しく話していたフリード本人とは全くの別物のように思えた。

旅先で何かあったのだ。
それしか考えられない。

一目散に階段を駆け下り、彼の後を追い外へ飛び出した。

 

「フリード……!」

男の姿はすでに見当たらない。
何処か遠くへ行ってしまったのだろうか?

辺りを見回しながら注意深く彼の姿を探す。
あの彼の様子から考えると、突然襲われる事も想像できないわけではなかったが、自らの危険よりも一体彼の身に何が起こったのか、そして彼がどうなってしまったのか確認せずにはいられなかった。

耳を澄ますと、そう遠くない場所から複数の馬が騒いでいる声が聞こえる。
酷く怯えているような、そんな声だった。

 

 

「?!」

 

「やめろ……! やめるんだ、フリード……!」

 

 

むせ返る血の匂いの中、何かを無心で食べる男。
それは紛れも無い、目の前にいる馬の肉だった。

恐らく男が殺したと思われる馬の死体から、その肉を素手で抉り出し次々と自らの口に運んでいる。

 

「シャアアア……」

 

「……?!」

鬼の形相に思わず凍りつく。

 

「ま、待って、フリード……!」

男は少女の視線に気付くと逃げるように走り出し、柵を超えて森へと入っていった。

 

「フリード!!」

「待て! 追ってはならん!」

 

「村長……!」

 

「フリード……あの愚か者め。 あれ程禁じておったというのに……」

 

「霧の迷宮へ行きおったな」

 

「霧の……迷宮?」

 

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2009.06.26 Fri. 03:11 -edit- Trackback 0 / Comment 7

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Labyrinth in tha Mist 第11話 ~帰還~ 

その日はいつものように霧が深く、星の見えない夜だった。

 

時折顔を覗かせる月が、門前で祈るように空を眺める少女を照らす。

 

「フリード……」

男が村を出てから6日目の夜。
2、3日で戻ると言い旅立った男は未だ帰ってこない。

明日までに村を買い取る金が用意できなければ、村人たちは全員立ち退きを余儀なくされる。
その期日は明日にまで迫っていた。

だが少女はもはやそんなことは頭にない。
ただ男の無事だけを祈り、毎晩のように家の前で男の帰りを待っていた。

 

「う……うう……」

闇の奥から呻くような声が聞こえた。

 

「今の声は……?!」

 

 

「?!」

 

「フリード……! しっかりして、フリード!」

 

「その声……聞き覚えがある……。 頼む、食い物を……早く」

「食べ物?! わ、分かったわ……! 私に掴まって! 食べ物なら家にあるわ……!」

「……すまない」

男は酷く衰弱していた。
外傷はさほど見当たらないが、体は酷く痩せ細っていて、男の体を抱きかかえるように持ち上げると、驚くほど軽いことが分かる。

少女は自らの肩を男に差し出すと、男は持たれかかるように少女の方に腕を回し、少女は半ば引きずるように男を家へ運んだ。

 

 

 

 

 

 

「……ふう。 何とか生きてるようだな、助かった」

ほとんど立ち上がる力もなくなっていた男を椅子に座らせ、あり合わせの物で男が希望する限り料理を作り、そしてテーブルへ並べた。
食事を目にした男は、まるで獣が生肉を目前にしたかのごとく、喰らい付くような勢いでテーブルの料理を平らげていった。

少女はただその様子を呆然と見ていた。
あまりの勢いに恐怖すら感じたものの、極限までに空腹を感じ、あと一歩のことろまで死に詰め寄られた人間というのはこんなものなのだろうと、無理やり恐怖を押さえ込み男が満足するまで食事を出し続けた。

結局男は、家に蓄えてある全ての食料を食い尽くしてしまった。

同時にこのような状態になるまで追い詰められたということは、相当危険な場所へ行っていたのではないかと心配になってくる。
無事に戻ってこれたのは何よりだが、一歩間違えれば確実に死んでいたことは間違いない。

それを思うと少女は胸を締め付けられるような鈍痛が走った。

「ねえ、フリード……変な事聞くけど、いい?」

「どうした?」

 

「私のこと……分かる?」

「ハァ?」

「答えて。 私が誰だか分かる?」

「何言っているんだ……。 お前はアリーセ、おれの婚約者だろ?」

「……良かった」

男の答えを聞いて、少女は安堵の笑みを漏らす。

「何なんだ、一体?」

「ごめん。 さっきまですごい弱ってたし、倒れていたときは私のことが分かっていないみたいだったから、何となく不安になって……」

最初に男に声をかけたとき、男は"聞き覚えのある声"と言っただけで彼女とは認識していないように思えた。
極度の衰弱で何か脳に障害が現れたのではと、少女はずっと不安を感じていた。

「俺がいくらバカでも、数日離れたくらいで婚約者の名前を忘れたりしないって……」

不機嫌な表情で男は悪態付いた。

「ふふふ」

先ほどの獣のような様子とは打って変わり、いつもの男に戻り思わず笑みがこぼれる。
体は随分と痩せてしまったが、後遺症の心配はないようだった。

「それにしても、あれ……。 すごい宝物ね」

"あれ"とは、男の傍らに落ちていた巨大なダイヤモンド。

「ああ、あのデカさは半端ない。 あれならこの村を買い取ってもまだおつりが来るぜ」

男は得意げな表情。

「ほんとね、すごいわフリード! でも、相当危険なところだったんじゃないの?」

「……まあ、そりゃあな。 アイレイドの遺跡だと思うが、魔法か何かで出口が消えて、結局閉じ込められる羽目になっちまった。 おかげであんな有様を見られちまったが、生きて帰れたんだし結果オーライだ」

そこが霧の迷宮であることは黙っていた。
禁忌であることは少女も知っており、そこへ行ったとあらばまた余計に心配させるだけになる。
何より、禁忌を破ってその迷宮に入ったことに、男は少なからず引け目を感じていた。

「でも、生きて帰ってこれて本当に良かった……」

「あたりまえだ。 俺が死ぬわけないだろう?」

余裕を見せる男だったが、実際生きて帰れたのは奇跡だった。
宝物に触れた瞬間に視界がぶれ、気を失った。
その後、自ら歩いて村までたどり着いたのかどうかは記憶が無く、気が付いたのは先ほどアリーセに声を掛けられたときが初めてだった。

「……ずっと、何も食べていなかったの?」

「……ああ、そうだな。 持って行った食料がなくなってからは……ずっと」

何となく男の表情が引きつったように見えたのは気のせいだろうか。

会話が止まり、気まずい空気が流れる。
男は相当辛い目に遭っているはずだから、きっとその辺の事は思い出したくないのだろうと思い、少女は無理やり話題を変える。

「それにしても、あの宝物を見せたらきっと村中大騒ぎね! 明日は宴会間違い無しだわ!」

「……そうだな。 村を救った俺は晴れて英雄だ。 村を買い取った際には記念に銅像でも建ててもらうか」

「あはは。 でも、それちょっと恥ずかしくない?」

「まあ、確かに」

二人は楽しそうに笑った。

少女は心底安心した。
危険な目に遭ったとはいえ、男に変わりは無い。
擦り傷や切り傷はあるものの、目立った外傷は無く、痩せた体も数日もすれば元に戻るだろう。
男が見つけてきた宝のおかげで村も買い取る事ができる。
不安に駆られる日々はようやく終わりを告げ、その後は幸せな生活が待っているのだ。

良かった……。

少女は心の底からそう思った。
今宵全てが終わりを告げ、そして、今宵全てが始まるのだ。

 

 

 

 

 

-ソウ、思ッテイタ-

 

 

 

 

 

「それよりも、アリーセ……」

「なに?」

 

「食い物はもう無いのか?」

「え?」

 

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2009.06.21 Sun. 18:54 -edit- Trackback 0 / Comment 8

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Labyrinth in tha Mist 第10話 ~狂喜~ 

男が村を出てから6日目、期日まで残り1日…。

 

「どうなってる、俺の身体は…。 食べても食べても空腹が収まらない…。 これも霧のせいだって言うのか…? とにくか何か食い物を探さないと、もはや一刻と持ちそうにない。 この際何でもいい…」

 

「ミノタウロスだろうと、人間だろうと…」

 

 

「くそ…意識が…! こんなわけの分からないところで俺は死ぬのか…・!?」


「…ん?」

男の目に止まった物は、痩せ細った肉のカタマリ。
その肉のカタマリは自らの意思で思うように動く事から、自分の腕である事が分かった。

「……」

初日に出会った謎のゾンビを思い出す。
ゾンビにしては血色がよく、生々しい肉の色をしていた。

あれはもしかしたらゾンビなどではなく、自分と同じ冒険者の成れの果て。
空腹のあまり自らの肉を喰らったのではないか。

餓死から逃れる為に己の肉を喰らう…。
当然そうすれば肉体が破損し、死に近づくことになる。
つまり生きる為に自らの身体を食べる事は、一見矛盾した行為であるように思える。
しかし、生への執着よりも食欲が上回れば不思議な事ではない。

そして今、男はその気持ちを如実に理解していた。

「……ダメだ。 俺は生きて、此処を出る……」

今にも自らの腕にかぶり付きそうな思いを必死に払いのけ、ゆっくりと前進を続けた。

 

 

 

 

 

「…あれは?!」

 

曲がった先で見つけたものは、神々しいまでの輝きを放つ物体。

 

それは、通常の10倍以上はあろうかと思われる特大のダイヤモンドだった。

「やっと…、やっと見つけたぞ…!」

村を救えるほどの価値のある宝を目の前にして、男は歓喜の声を上げる。

だがそれは、苦難の末に目的を達成したが故の喜びではなく、男の目線はその宝を守るかのように佇む者へ向けられていた。

 

「ゴオオオオオオオオ!!」

 

「……喰い応えがありそうだ」

 

-脈打ツハ 我ガ欲望-

 

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2009.06.19 Fri. 23:39 -edit- Trackback 0 / Comment 5

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Labyrinth in tha Mist 第9話 ~餓鬼~ 

「……足りねぇ。 なんでこんなチビしかいないんだ…、これじゃ腹の足しにもならない」

"食事"を終えた男は、満たされない腹の具合に不満を呟く。

 

「…女の言うとおり、1人で行動していれば、獲物は全て俺の物だったんだ。 そもそも、俺とこいつでは迷宮に入った理由に差がありすぎる。 こいつは単なる遺跡荒らし、私利私欲のために入ったに過ぎない。 だが俺は村を救うという大義名分の下ここへ足を踏み入れたはずだ」

 

「こいつのために自分の食料を犠牲にしていたと思うと……とんだ過ちを犯したものだ。 村人の為にも、アリーセの為にも俺は是が非でも生きて帰らなければならないというのに…」

 

「是が非でも…」

男の目に映ったものは、先ほど自らが殺めた女の死体。

 

「……」

心臓が激しく鼓動するのが分かる。
自分が今何を考えているか、そして何をしようとしているのか。
それを思うと、心臓は一層激しく脈を打ち始めた。

「何を考えているんだ、俺は。 そんなことが許されるはずがない…」

自らの考えを振り切ろうとするが、男は女の死体から目を離す事が出来なかった。

 

徐に女に衣服を脱がす。
ここ数日でだいぶ痩せ細ってしまったものの、全体的に女性らしい丸みを帯びた身体は、男の欲望をなおも掻き立てた。

 

指先で乳房に触れてみる。
まだ死んで間もない事もあり硬直は始まっておらず、弾力があり僅かに温かみのある感触が返ってきた。

 

「…許されるって、一体誰に? ここはイカれた古代人のイカれた世界…」

 

「ここでは常識など……必要ない」

男は脈打つ欲望に身を任せ、女の死体に覆い被さった。

 

 

 

 

 

人喰いの正体が人とは、随分と皮肉が利いている。

 

サイロイド・エナジーはミノタウロスの体内に含まれる特殊な成分で、全身のほぼ全ての細胞の代謝を亢進させる効果があるという。
アミノ酸誘導体のトリヨードサイロニン、サイロキシンなどの成分を過剰に分泌させる為だと言われているが、詳しい事は分からない。
このサイロイド・エナジーを体内に蓄えると、体内のエネルギー消費量が必然的に増大するということだ。

 

ミノタウロスは進化の過程において、その攻撃性や凶暴性、そしてハングリー性を失わない為に適度にサイロイド・エナジーを蓄えていると考えられているが、もし人間がそれを過剰に摂取したらどうなるか。

複視、憤り感、頻脈、集中力低下、不眠など肉体的、精神的に様々な影響を及ぼす事になる。
全身の細胞の代謝が活性化することで、あらゆる臓器が常に全力で活動しているのと同じ状態になり、その結果大量のエネルギーを必要とし、異常なまでに食欲が増す。
さらにタンパク異化作用も過剰に亢進され、過度なタンパク質の分解が行われることで、摂取されるタンパク質より分解されるタンパク質が多くなる。
それにより、窒素平衡が1以下となり、極度の空腹をもたらすという。

 

件の男はミノタウロスを食べ続けていたというが、理由は不明だが仮にそのような状況下に置かれたとする。

1度や2度の捕食ではさして影響はないものの、数日間食べ続ければ体内に多量のサイロイド・エナジーを取り込むことになり、食べれば食べるほど空腹に陥るという地獄のような悪循環。
餓鬼の如く飢えに苦しみ、食料を探し求めて徘徊することになる。

やがて精神は破壊され、目に見えるもの全てを食料として捕食するようになるだろう。

 

 

 

 

 

例えそれが、

 

人間であろうと。

 

 

 

 

 

……胸糞悪い話だ。

 

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2009.06.18 Thu. 14:53 -edit- Trackback 0 / Comment 6

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Labyrinth in tha Mist 第8話 ~破綻~ 

「くそ…! また行き止まりかよ…!!」

男は怒りに任せて激しく壁を殴りつける。

 

「…バカみたい」

「ああ…?」

「そんなことしても体力の無駄遣いよ。 次の"食料"がいつ現れるかも分からないのに、無意味な行動はやめたら?」

 

「……食料に対して、随分と積極的になったな。 最初はあんなに嫌がってたというのに」

「……時と場合によるわ。 私だってこんなところで死にたくない」

 

彼らはあれから、時折現れるミノタウロスを食べ続け、何とか空腹をしのいでいた。
当初懸念していた食糧不足、つまり食料となるミノタウロスが尽きる事を危惧していたものの、二人分の食料を確保するには十分なほどに彼らは随所に存在するようだった。

だが、彼らの空腹は決して満たされることはなかった。

ミノタウロスを食すことにより一時的な空腹は凌げるものの、数時間も歩けば再び狂おしいような空腹に見舞われる。
その度に彼らは食料を捜し求めさ迷い歩く羽目になった。

最初は疑問を感じていた。
必要に足る食料を体内に蓄えているにもかかわらず、この理不尽なまでの空腹は明らかに自らの体内に異常をきたしており、そしてその原因を追求しようとした。

霧が精神的に影響を及ぼしているのはもはや何の疑いもない。
だが、空腹という肉体的な問題は何が原因なのか。

彼らはこの迷宮内で特に変わった行動はとっていない。
唯一普段と逸脱した行動と言えば、ミノタウロスを食べると言う事。

やはりこれは罠だったのだろうか?
食べれば食べるほど空腹を誘うような、何か特殊な毒でも入っていたのかもしれない。
とはいえ食べなければ身動きすら取れなくなるほどに空腹は激しく、結局彼らは罠ではないかという疑念を抱きつつも、ミノタウロスを食べ続けるしかなかった。

やがて考える事すら面倒になり、いつしか彼らの目的は"出口"や"宝"などではなく、"食料"へと変化していった。
日に日に神経が研ぎ澄まされ、どんな小さな物音でも決して聞き逃す事はなく、ただ目を光らせて獲物だけを追い求める獣のように。

加えて彼らの精神的高揚は留まる事を知らず、もはや留まっている事すら間々ならないほどの興奮状態が続き、激しい空腹と疲労を感じつつも決して歩みを止めることはなかった。

 

「…聞こえる」

 

「この足音……ミノタウロスよ! 近くにいる…!!」

「お、おい! 待て!!」

 

 

 

 

「!!」

彼女を見つけたときには、既にミノタウロスは退治された後だった。

 

「おい! ちょっと待てよ!」

今にもミノタウロスにそのままかぶり付こうとしている女を、男は慌てて制止する。

 

「1人で全部食う気か…? 俺の分も残しておいてくれよ……今食べなければ本当に倒れてしまいそうだ!」

 

「バカ言わないで! これは私が捕まえた獲物よ! あなたは他を見つけなさいよ!」

「勝手な事を言うな…! 仲間だったら独り占めしないで二人で分け合うべきだろう!」

「ただ一緒に行動していただけで、仲間になったつもりはないわ! それに、私は一番最初の獲物に一切手をつけていないんだから、これは私の物よ!」

 

「……今更何言ってやがる! あれはお前が自分から拒否したんだろうが!」

 

「もう、うるさいなぁ! 元はといえば、あなたがあの時一緒に行こうなんて言うからいけないんでしょ? 私は別に1人でも平気だったし、1人だったら今までの獲物も全部私の物だったのよ!」

 

「男のくせに"心細い"なんてバカみたい。 そんな怯懦で薄弱な男、どの道村なんて救う事なんて大それた事できっこないし、此処を出ることすら出来ないわ。 これ以上私に付きまとわないで……!」

 

 

「……」

 

 

 

 

 

『速報!! 人喰い、捕まる!!』

『先日インペリアルシティのガーデン区画に現れた暴漢が、通りすがりの冒険者の協力の下、ガードによって捕縛された』

『捕まった男の目は赤く血塗れたように血走っており、自我を失っているようでまともな会話は成立せず、詳しい話を聞くことは出来なかったものの、発言内容や行動から判断し、度々起きていた人喰い事件の犯人であると思われる』

『牢に閉じ込められた男は、適量の食事を与えられているにもかかわらずただ空腹だけを訴え、やがて自らの腕や足をむさぼり始めた』

『そのうち出血多量で絶命したが、メイジギルドの見解では、男は複数の幻惑魔法に掛かっており、中には攻撃性や活動性を大幅に向上させるものも含まれていた模様』

 『しかし何故男が人喰いと化したかは説明が付かず、調査のために男の検死が行われた』

『その結果、男の体内からは多量の"サイロイド・エナジー"と呼ばれる成分が検出された』

『"サイロイド・エナジー"は主にミノタウロスの体内に含まれる特殊な成分であり、検出量からして男は何らかの理由で、数日に渡りミノタウロスを食べ続けていたと思われる』

 

 

 

 

 

 

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2009.06.16 Tue. 01:34 -edit- Trackback 0 / Comment 10

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